新たに企業会員に加わってくださったフジモト工業様ショールームへ、見学、勉強に伺いました。
数々の左官材料を用いながら技術を受け継いで来られたフジモト工業様、今回はヨーロッパから入ってきた「モールテックス」と「オルトマテリア」という左官材料をご紹介頂きました。
1階は製作のための工房、その2階がショールームです。
モールテックス仕上げのスタイリッシュでシックなエントランスです。
床、壁はモールテックス、階段はオルトマテリア仕上げです。
初めて出会う左官材料、モールテックスとオルトマテリアについてご説明頂きました。
□モールテックス
ベルギー生まれ。またの名をミネラルスキン。鉱物性塗材の、薄い塗膜(1~2mm)でイメージとしては仕上げ表面が平滑で多色、スモーキーなモルタルという感じです。
無論滑らかな表面は、腕利きの職人さんならではの技術です。お風呂、洗面所など水回り、屋外にも適しています。
64種類もの色見本
■オルトマテリア
イタリア生まれ。樹脂を主材料とし、環境、人体に優しいF☆☆☆☆対応です。
骨材にはガラス、電球、鏡など再生材料や、石英、大理石などリサイクル鉱物を再利用しています。天然資源を乱獲しないようにとの試みです。
耐久性、耐水性、リペア性に優れ、塗膜が薄く、曲げにも強い柔軟性があります。
工房でオルトマテリア施工を待つ木素材のシンクです。
オルトマテリア仕上げの家具、小物の数々
サンプルもこのままアートです
今回の画期的な左官材料は、ハード、インダストリアルなイメージです。
しかしこの材料が生まれた背景としては、石文化、左官文の化のヨーロッパにおいて、数百年の歴史を持つ建築物、街並みを守り、次世代へ渡していくという国々の方針があり、環境に負荷をかけない最適な補修材料、方法を常に求めているのです。
補修、修復のための素材がこれだったのですね。
これらの技術とデザインはファッション、印刷にも応用されます。
ヨーロッパではデザイン、素材の開発にかける時間、お金、エネルギーが日本とは比べ物にならない程大きいそうです。
大切にしながらずっと使い続ける文化ははっきりと根づき始めている…と感じた一日でした。建築、インテリアには多くの素晴らしい素材がありますが、これからモールテックス、オルトマテリアも選択肢に入れていきたいなと思います。
LEFTECはのどかな美咲町の風景の中にあります。一度足を運んでみてはいかがですか。
OIC正会員 六車 公子