11⽉19⽇、あいにくの曇り空ではありましたが、たくさん歩くにはちょうどよいお天気の
中、第3回ル・サロンが開催されました。
今回は、第1回となる「ひろしま国際建築祭2025」の尾道エリアの会場を巡ってきました。
千光寺⼭のロープウェイに乗って着いた展望台は、橋のように横に⻑い展望台で、景⾊がと
てもよく⾒えました。建築家の⻘⽊淳⽒が設計した展望台と聞いたので、帰ってからコンセ
プトを調べてみたところ、「尾道特有の細い坂道の延⻑として、歩きながら景⾊を発⾒して
いく“道”としての展望台」とのことでした。端の⽅だけで降りてしまったので、反対側まで
歩けば良かったと少し後悔しました。
その後、尾道市⽴美術館で開催されている「ナイン・ヴィジョンズ|⽇本から世界へ 跳躍
する9⼈の建築家」の展覧会を鑑賞しました。展⽰されている建築は、光の⼊り⽅や陰影、
周囲の⾵景まで含めて丁寧にデザインされていると感じられました。なかでも、ある建築家
が映像の中で「震災で建物が倒壊してケガをすることは⼈災だ。私たち建築家の責任だと思
う」と語っていた⾔葉には、プロとしての強い責任感がにじんでいて圧倒されました。専⾨
的なことはまだ⼗分に理解できていない私ですが、その⼀⾔の重さに触れ、「すごいなぁ」
という感想しか出てこないほどのプロ意識を前に、背筋が伸びる思いがしました。ちなみに、
尾道市⽴美術館は、警備員さんとの“攻防戦”で話題になった⿊猫のケンちゃんがいた美術館
でもあります。
つぎの会場のLOGへ向かう道は、いわゆる“ザ・尾道”といった雰囲気の階段の道で、周囲
の景⾊を楽しみながらサクサクと歩きました。尾道は「猫のまち」と⾔われているそうで、
いたるところに猫に関連するものがありました。



LOGは、インドの建築家ビジョイ・ジェイン氏が率いるスタジオ・ムンバイが設計・デザインした、元アパートをリノベーションしたホテルで、2部屋分を1室にしていて、客室は全部で6室しかないそうです。中庭のようなスペースに建っていた家屋を取り壊したものの、車が入って来られない場所のため、廃材はできるだけ再利用して、建物内のさまざまな場所に使われているとのことでした。
2階ギャラリーの展示は残念ながら見学できなかったのですが、後で調べたところ、LOGが完成するまでに実際に使われた素材と、検討されたものの最終的には採用されなかった素材の両方が展示されており、ムンバイと日本との間で行われた試行錯誤のプロセスをたどることができる構成になっていたようです。
当日は休館日にあたる会場もあり、そちらは見学できませんでしたが、鑑賞パスポートは3日間有効なため、会期中に日を改めて他の会場も巡ることができるようになっていました。

少し時間ができたので、LOGの2階にあるカフェでそれぞれ飲み物をいただきながら、尾道の街並みと海を眺めて一息つきました。ピンクがかった壁と銅の網戸越しに見える景色が印象的で、落ち着いた静かな空間の中で、時間の流れも含めて空間を味わうことができました。












